市原市役所地域推進課
市民活動活性化の後押しを目指す
市原のまちで、もっともっとワクワクしたい!という思いで、オープンロードでは、市役所や観光協会など、たくさんのプレイヤーと連携しながら、まちづくりに取り組んでいます。 今回はその一環として、2020年度から市原市の政策として盛り込んでいただきながら開催している「リノベーションスクール」をご紹介します。 談:小川起生 2022年2月15日 テキスト:Mizuno Atsumi
今あるまちの資産を活用して、そのまちの経営課題を解決していく「リノベーションまちづくり」。このリノベーションまちづくりでは、空きビルなどの遊休化した不動産という空間資源と、潜在的な地域資源を活用して、都市・地域経営課題の解決を複合的に目指します。
リノベーションスクールは、そういったまちづくりに取り組む人を増やすために、まちなかに実在する遊休不動産を対象とし、エリア再生のためのビジネスプランを創り出す短期集中の実践型スクール。8名程度の受講生が1つのユニット(チーム)となり、不動産オーナーから提供いただいた遊休不動産を題材物件として、3日間で事業プランを練り上げます。
2011年、北九州ではじまったリノベーションスクールですが、今では、千葉県内だけでも、市原のほか、館山や千葉市でも開催されています。
リノベーションスクールの受講生は、そのまちで事業を始めたいと思っている人や、まちの暮らしをもっと豊かにしたいと思っている人をそのまちや近郊エリアから募集。社会人のみならず、高校生や大学生、子連れのお母さんなど幅広い職業・年齢の方が参加しています。
また、ユニットワーク(チームでの作業)では、日本各地で活躍する各業界のプロフェッショナルが、ファシリテーター役としてユニットマスターを担い、まちづくりに必要な知識や技術を学ぶレクチャーも開催します。
最終日には、各ユニットが、3日間かけて創り上げた事業プランを不動産オーナーに向けて発表し、目指すは、スクール終了後の実事業化。
有休不動産にリノベーションをかけることで、単体の建物の再生を超え、どうすればその建物の建っているエリア全体の価値を上げ、地域を生まれ変わらせることができるかということに真摯に向き合う。そんなまちづくりのエンジンとなるのが、リノベーションスクールです。
リノベーションスクール@市原開催のきっかけは、オープンロード代表小川の「五井(市原市)のまちが、もっとワクワクする場所になれば」という想いでした。
もともと、Arioの広告や、テナント誘致といったことに取り組んでいましたが、「子育てに優しいまち」というように、いくらコンセプトを丁寧につくりあげて一店舗ショッピングモールに誘致したところで、エリアとしてブランディングをしていかないと、まちは変わらないと気づいた小川。
地元である五井を楽しめず、魅力を感じていなかったこともあり、五井を中心としたまちづくりに取り組めないかと考えはじめました。そこで、そういった想いを発信していたところ、まちづくりの最先端として知人に紹介されて出会ったのが、リノベーションスクール@北九州でした。
オープンにコミュニケーションを取りながら、楽しそうにまちづくりに取り組む人たちが集い、まちを前進させていく北九州での様子を目の当たりにし、このままでは、五井は衰退してしまうと改めて感じた危機感。
それと同時に、当時、2015年頃は、五井でまちづくりに取り組む人もおらず、自らまちづくりに取り組むことで、五井というまちを楽しくできるかも知れないというワクワク感がありました。
リノベーションスクールの特色は、まちづくりのノウハウを共有しつつ、内容がパッケージ化されていない点。歴史や産業、風土など、まちそれぞれの課題を紐解き、地域ごとに個々の課題に取り組んでいけるよう、自分たちの足でまちを観察・分析するフィールドワークを含むプログラムになっています。
2020年に開催されたリノベーションスクール@市原第1回では、商店街シンコープラザを舞台に、どうしたら新しいオーナーさんに空き店舗に入ってもらえるのか?というのがテーマになりました。
このとき生まれたのが、シンコープラザで毎月第3日曜日に開かれる「五井朝市」。居酒屋など飲み屋のお店が多く、夜のまちという側面がある五井に、朝ごはんを楽しめる仕掛けをつくり、シンコープラザへまちの人が足を運ぶきっかけを生み出し、その結果として空き店舗への入居者を募る狙いで立ち上げられました。
空き店舗への入居の動きはまだこれからですが、朝市が起きたことで可視化された五井のまちづくり。朝市を楽しむために訪れるお客さんや出店者を含め、まちづくりへ参加する人が増え、ゆるやかにまちづくりへ参加できる機会も生まれました。
0から1をつくりたい人と、1から2をつくりたい人、さらに、その加速に乗りたい人など、まちづくりへ関わりたい人のグラデーションは様々。朝市や、リノベーションスクールといった動きを続けていくうちに、「実は、まちづくりがやりたかったんだよね」という人が増え、Co-Satenスタッフや地域おこし協力隊をふくめ、まちづくりの仲間や、関心をもつ若い世代が広がりつつあります。
来年度の開催も決定しているリノベーションスクール@市原。これからも、五井を中心に市原のまちをもっともっとワクワクする場所にするべく、オープンロードは様々な取り組みを続けていきます。
市民活動活性化の後押しを目指す
オープンロード合同会社代表。 市原市や千葉市を中心にまちづくりの学びと実践を繰り返し、民間主導のまちづくりを市原、五井駅西口を中心に取り組んでいる。
「#夜のまちに朝食を」を合言葉に、五井駅西口のアーケード商店街で、毎月第三日曜日に朝市を開催。
市原市現市長。
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